わたしが売ってい" /> 「 月 下 ノ 舟 」 – Gallery Kazuki | 画廊香月

「 月 下 ノ 舟 」

Gallery Kazuki winter selection

2022.11.14 [Mon] - 12.3 [Sat]

わたしが売っているのは アナタ 海の水です

わたしが運んでいるのは アナタ 海の水です

わたしが流している涙は アナタ 海の水ですよ

堀越千秋 | 岸田淳平 | 小林裕児 | 田上允克 | 小堀令子 | 池田龍雄
高島進 | 平松宇造 | 小林健二 | MIZU | 河原朝生 | 安元亮祐 | 篠原道生

 

 

堀越千秋 | Chiaki Horikoshi   profile

「絵における黒とは、重さであり、力であり、熱であり、重心であり、魂である」

–『美を見て死ね』より

 

岸田淳平 | Junpei Kishida   profile

音や風は、目に見えないのに、その存在がたしかにわかる。
飾りが消え、肉体が滅びても、うつくしい魂は、音や風のように、語りかけてくる。
そんなあたりまえのことを、ぼくはまだ絵にできないでいる。

 

 

小林裕児 | Yuji Kobayashi   profile

画面をさ迷う私はふと奇なる世界へと吸い寄せられ異空間に体ごと入り込んでしまいます。
それはまた森のなかで朽ちてゆく廃屋とそれを呑みこんでいく蔓植物との葛藤のように死と生を行き来する感覚であるようにも思えます。

–2017年 美術の窓7月号掲載記事「異界」小林裕児 寄稿 より

 

田上允克 | Masakatsu Tagami   profile

改めて記すまでもないが、この地球は人間だけのものではない。鯉のもの、ナマズのもの、狐のもの、竹の子のものであり、その他ありとあらゆる生きとし生けるもののためにある。鯉やナマズや狐や竹の子側に立てば、人間たちだって同じ生きものの一種にすぎないのだ。太蛾(田上充克の別名)さんの深奥には、いつもこうした思いが脈打っているような気がする。

–饒舌と寡黙のイロニー(ワシオ・トシヒコ)より抜粋

 

小堀令子 | Reiko Kobori   profile

『ブラックホール』と題したシリーズを描いていました。
世紀末的なゾーンに人が吸い込まれて行くという場面なんですが、このゾーンに吸い込まれるプロセスを描いている時に、目に見えない『ネット』の存在をすごく感じたんです。
…目には見えない形を視覚化したいのです。それがある意味で現代のリアリティではないかと思っています。

小堀令子インタビュー記事より

 

池田龍雄 | Tatsuo Ikeda    profile

絵とは何か。なぜ絵を描くのか。
わたしは遂に解のないこの問題を、ずっと胸に抱え込んだまま今もなお執拗に絵を描き続けている。
まるで、絵を描き続けることそのことがその答えであるかのように。…

2015年 画廊香月/Gallely MORYTA 25周年記念展 池田龍雄展「我が心のメルヴェーユ」に寄せて 池田龍雄より

 

高島進 | Susumu Takashima   profile

一本一本の線が筆とインク、または色鉛筆で精巧に描かれている高島進のドローイングは、無意識的な行為である呼吸を思わせる機械的な精巧性で曲がり、広がり、渦巻く。私達の生活が本来の目的や計画から逸れるようにアートは線で始まり別の線で終わる――そして、それらの線の間には無数の可能性と不確実性がある。
…高島は、呼吸の反復とその道のりを描く――まるで詩句が、息遣いが聞こえてきそうな考えや感情の波、
間(ま)、告示を捉えるように。

―ジェシー・エリザベス・アルペリン

 

 

平松宇造 | Uzo Hiramatsu   profile

「私は可能な限り偶然をコントロールし、呼び込み、自己の表現に取り込み描く。
私は無意識から出てくるものと意識が創り出すものを織り交ぜてコントラスト、ハーモニーを生み出したいと思っています。
…私にとって完成させた絵画を見せることが重要ではない。
私は自分の内で新しく書き換えられたばかりの美感、美意識を生のまま世界に提示し続けたいと考えています。」

 

 

小林健二 | Kenji Kobayashi   profile

ぼくは子供の頃からどうゆう訳かラッパみたいだったり管のあるものや、透きとおっていて内部がうつろなもの等に魅かれる事が多くて、よく絵にも描いたりしていました。どこかぼくの心の深いところで、どのようにかそれらと繋がっているのかも知れませんが、本人にはよくわかりません。しかしそんな訳で、ぼくはクラゲの仲間や双子植物のトラパリンネやキラリヤ種の菌類、そして腔腸動物のトレマディクチオンなどが好きなのです。

 

 

MIZÙ | Tetsuo Mizu   profile

 

河原朝生 | Asao Kawahara   profile

からりと乾いて謎めいた、何かが起こりそうな空間。そこには生活感も時間もなく、神秘 的な謎の世界が生まれ、ひとつの宇宙が存在している
…ただ緊密に、寸分のすきなく描き込まれた空間に、何の 脈絡もなくボッと映像が浮かぶ。その断絶感が河原朝生の世界です。

「プリミティブな聖域 」より

 

安元亮祐 | Ryosuke Yasumoto   profile

見知らぬ町の、さびれた海辺のがらんとした室内に道化がどこからとなく漂着し、もの思いにふけったり、たたずんだりしている。そのたまらない孤独な光景はしかしどこか淋しく、どこか生あたたかい。遠い昔、どこかで出会った光景のような気もする。音のない静寂な空間だが遠くの方で波のさざめきがかすかに聞こえてくる。

–「音のない世界」 -安元亮祐の絵画詩-| 1994年 | 池田満寿夫・版画家、作家

 

 

篠原道生 | Michio Shinohara   profile

私は絵を描いてしか 身をたてられません
私は絵を描いてしか 身をよこたえられません
何もなくなった 空のために
それもウソ それも真
絵を描くことだけなのです。