田上充克スペシャル「匿された息」

田上允克の絵は、あの鋭い批評家でもあった洲之内徹氏においても、
戸惑いを隠せなかった。
その作品には、誰の眼にも触れられていない、何かが隠れていた。
私は、山口にある彼のアトリエを訪ねた。
暗い納屋のなかでひとつひとつ、
縄と筵で縛られて無造作に置かれていた。
そのとき私は、絵とは別のなつかしい獣の息を聴いた。
ふと、夏の陽ざかりの下の西瓜の眩しさを思った。
15年ぶりに、田上允克の作品を連れて来るーー。
香月人美

田上允克　profile
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video by. Lyle Saxon