13:00 - 18:30 [日・水 休廊]
小堀令子の線は鋭くもしなやかだ。描かれたというよりも刻まれた線が観る人にある断片を浮かび上がらせる" />「L'intrication Quantique ー 今を生きる」
小堀令子 展
2021.7.12 [Mon]-27 [Tue]
13:00 – 18:30 [日・水 休廊]
小堀令子の線は鋭くもしなやかだ。描かれたというよりも刻まれた線が観る人にある断片を浮かび上がらせる。それは見たことがあるようで見たことがない姿をしている。
私の部屋に一枚の絵がある。都市を思わせる帯状の絵が6層描かれているのだが、それは6つの都市に見える時もあれば、1つの都市の時間の経過に見える時もある。いつか見た風景やあるかもしれない街並みが映し出される。
線と線が作り出す間は、時間と空間を表し過去・現在・未来を行き来する感覚になる。
今展覧会のタイトルにある“L’intrication Qntique”とは量子力学の現象「量子もつれ」を意味している。2つの粒子が強い相互関係にある現象のことであり、粒子同士が動いてどれだけ離れても──たとえ銀河の端から端という途方もない隔たりがあろうが、コインの表裏のように相互の関連は損なわれない運命共同体のような状態を指すという。また「量子もつれ」は空間的に離れた粒子間だけでなく、時間的に離れた粒子間でも成立しうるらしい。
小堀令子の作品はこのような人間が知覚できないものの動きや関係性を表現しているのかもしれない。
鑑賞者は刻まれた線から記憶の断片を呼び起し現在を通してイメージする今を体験しているのだろう。
「以前『ブラックホール』と題したシリーズを描いていました。世紀末的なゾーンに人が吸い込まれて行くという場面なんですが、このゾーンに吸い込まれるプロセスを描いている時に、目に見えない『ネット』の存在をすごく感じたんです。
…目には見えない形を視覚化したいのです。それがある意味で現代のリアリティではないかと思っています。一昔前の絵画では、例えば瓶やコップ等の日常品を緻密に描写することで、家族とか子育てなどの問題を提起しようというのが、その時代のリアリズム表現でした。ところが今の社会を見渡すとそうした「物」を通してのコミュニケーションがほとんどないような気がするんです。そんな中、街中を携帯電話で話しながら信号も見ず、かと言って熱中した話をしているわけではない若者たちの姿を見て、現代においてのコミュニケーションを形作っているのは、こうした目に見えないネットで支配された人間関係なのではないか、と思い、ネットという題材にこだわるようになりました。
…飛行機の飛んだ跡が目に見える形で残っていたとしたら、空はネットでいっぱいになっているでしょう」
(小堀令子インタビュー記事より)
小堀令子
東京生まれ。
1970年 武蔵野美術大学卒業
日本画家・小堀鞆音(東京美術学校教授、文展審査員、帝室技芸員)を父に持ち、
小山田二郎に師事。小堀令子自身の作家活動は小山田の没後から始まった。
現在 ギャラリー併設のアトリエ絵夢にて絵画教室講師
立軌会所属
– SOLO EXHIBITIONS –
1996-2003 ギャラリー御茶ノ水(東京)
1996-2003 ギャラリー淡路町(東京)
1999 夢土画廊(東京)
1999-2010 ギャラリーブロッケン(東京)
2004,’05, ’11, ’14 ギャラリー絵夢(東京)
2006 十一月が廊(東京)
2008 ワイオミング大学(U.S.A)
2012 画廊香月「泡沫の詩」(東京)
2014’16 ギャルリーパリ(横浜)
2014 画廊香月「光の骨」(東京)
2015 画廊香月「風の門」(東京)
2017’19 ストライプハウスギャラリー(東京)
2019 画廊香月「跳」(東京)
– GROUP EXHIBITIONS –
1997,’98,2005,’06 人人展,東京都美術館
2001-03,’05 国際アートフェスティバル, ピョンテク市, 韓国/ ロスアンゼルス
2004 中日韓現代美術展, 上海多倫路現代美術館
2005 東京・バルセロナ現代美術展, バルセロナ
2005-09, ’11 サロン・ドートンヌ(Paris)
2007, 10 ワイオミング大学(U.S.A)
2009 – ’19 立軌展(東京)
2013 日本現代美術,カナリア諸島,スペイン、Earth Attack あいちトリエンナーレ(愛知)
2015 国際交流女性現代美術展 Bank ART 横浜
2019 地球・爆-10人の画家による大共作展,愛知県美術館(愛知)
2020 画廊香月「毛虫クジラの譜」(東京)
-ART FAIR-
ART in PARK HOTEL TOKYO 2019, 画廊香月(東京)
ART FAIR ASIA FUKUOKA 2018, 画廊香月(東京)
Reiko Kobori
Born in Tokyo, Japan
1970 Graduated from Musashino Art University
– SOLO EXHIBITIONS –
1996-2003 Gallery Ochanomizu, Tokyo
1996-2003 Gallery Awajicho, Tokyo
1999 Gallery Mudo, Tokyo
1999-2010 Gallery Brocken, Tokyo
2004,’05, ’11, ’14 Gallery Emu, Tokyo
2006 Gallery Ju-ichi gatsu, Tokyo
2008 Western Wyoming College, U.S.A.
2012, ’14, ’15 ’19 Gallery Kazuki, Tokyo
2014 Gallery Paris, Yokohama
– GROUP EXHIBITIONS –
1997,’98,2005,’06 Hitohito Exibition, Tokyo Metropolitan Art Museum
2001- ’03,’05 International Art Festival, Pyongtaek, Korea / Los Angels
2004 China-Japan-Korea Modern Art Exhibition, Shanghai Duollon Museum of Modern Art
2005 Tokyo Barcelona Contemporary Art Exhibition, Barcelona
2005-2009, ’11 ”Salon d’Automne”, Paris
2007, ’10 Western Wyoming College, U.S.A.
2009 – ’15 Ryuki Ten, Tokyo
2012 City Exibition, Ohtawara, Japan
2013 Art Contemporáneo de Japón, Islas Canarias, Spain
2019 Chikyu・Baku,Aichi Prefectural Museum of Art,japan
2020 Gallery Kazuki, Tokyo
-ART FAIR-
ART in PARK HOTEL TOKYO 2019, Gallery Kazuki,Tokyo
ART FAIR ASIA FUKUOKA 2018, Gallery Kazuki,Tokyo