安元亮祐 展 – 宇宙の中の小さな者たち –

Ryosuke Yasumoto Exhibition

1998年12月 5日(土) - 12月27日(日)

■ テキスト
木漏れ日、落ち葉、風の記憶、あめのちはれ、
沈黙の日、人間になりたかった猫、過ぎし日、
懐かしい人たち、みんな元気?

小さな作品だけど、大きな空想の世界が広がる。
今回は小さなミニチュアールを中心とした作品展。
生まれつき音の無い世界で生きてた彼。
その作品は一枚一枚に物語を封じ込めた、言葉のない絵本のよう。
日常生活とは切り離せない余計な”音”がないぶん、きっと彼の世界では美しいメロディが奏でられているのではないだろうか。
小さい作品名ので、直接手にとってその世界を感じてほしい。

■ 安元亮祐プロフィール
1954年、兵庫県 姫路市生まれ。
1972年に東京教育大(現、筑波大)付属聾(ろう)学校美術 専攻科入学

幼い頃、高熱が原因で聴覚を失う。
小学校の頃から絵に熱中、画家になろうと決意する。
学生時代から独特の色彩感覚など日本人離れした感性が際立っており、頭角を現わす。

1988年(34歳)には安田火災美術財団奨励賞受賞。1989年セントラル美術館油絵大賞展・佳作賞受賞。具象絵画や彫刻の新人登竜門といわれる第27回昭和会展(日動画廊主催)では昭和会賞を受賞し一躍注目を集める。

特徴的な画風にはマリオネットのピエロ,フルートやトランペットを奏でるジプシーたちが月明かりの下でいつも踊っている。鉛色したブルーグレイの空、人魚の棲む浜辺、枯れかけた花、降り注ぐビーズの雨は見知らぬ街を濡らし、記憶の断片を紡ぐ。窓からこちらの様子を伺う見知らぬ月の住人、刻印された街。そんな幻想的な世界は多くの人々を惹きつけ、魅了してきた。

■ Opening
12月6日(土)4:00pm~ 「安元亮祐を囲んで」