堀越千秋 展 – 天国と地獄の果実 –

Chiaki Horikoshi exhibition

■ DMテキスト
すべては風が揺り起こす物語、
海風と陸風が入れ替わる時、
快楽は器官の中を通過する。

■ 堀越千秋プロフィール
1948年東京都生まれ。
東京芸術大学大学院油画科専攻終了後、ヨーロッパ各地を放浪。 1976年スペイン政府給費留学生としてマドリッドに定住する。

マドリッドを中心に世界各地で活動を続ける堀越は、「スペインは、誰もがヒピカソの勢いと、短気と、粗放さ を持っている芸術国家だ」というスペインへの共感をベースに、絵画、立体、壁画などのアートからカンテ( フラメンコの唄)、エッセイといったさまざまな分野において、 ダイナミックで幅広い作品を生み出してきた。
「武満徹全集(小学館)」の装画で経済通産大臣賞。ライプチヒ市「世界で一番美しい本」日本代表に選出。全日空機内誌「翼の王国」表紙絵でも知られる。
カンテの名門一族「アグヘタファミリー」との親交を深め、カンテ(フラメンコの唄)の名手としても活躍し、2004年フジロックフェスティバルにも出演した。
著書に「フラメンコ狂日記」、「絵に描けないスペイン」「赤土色のスペイン」「美を見て死ね」など多数出版される。

2014年、スペイン政府より文民功労賞を受賞。
2016年、マドリッドにて死去。

■ 堀越千秋の言葉
僕は、1973年の七夕の日に、生まれてはじめて、スペインの地を踏んだ。
パリからの夜行列車でだった。
緑あふれる景色のまま夜となり、国境の町イルンでのりかえて、トイレの匂いのかおる車内でうつらうつらしながら目を開けると、やがて夜明けの光りの中に姿をあらわした風景は…..。
一木とてない荒野。
日本で生まれ育った人間、僕が見たことのない光景だった。
とうとうきたか。
積み木遊びに飽きた子供が、その上にきな粉をぶちまけた、というような形と色の大地だった。
「やってしまった」というような印象の大地だった。
僕はわくわくした。
ざまァみろ、という気分だった。
<堀越千秋 スペイン大庶民論序説「カマドを覗けばスペインが見える」より>

■ カンテ・フラメンコの宵
1995年7月22日(土)pm7:00~             
入場料 8,000円                     
出演  堀越千秋(カンテ)/ エンリケ坂井(ギター)/ 左藤佑子(パルマ)
会場  シーホークホテル&リゾート SOTOKOTO CLUB