セレクション展「春の唄、風の翼 」

Gallery Kazuki spring selection

2025.3.3 (Mon) - 20 (Thu)

春がいたずらに香りはじめ、心が浮き足立つこのころ。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

3月の画廊香月は、そんな気持ちと共にあるように、
セレクション展「春の唄、風の翼」を開催いたします。
重たいコートを降ろし、歩みが軽やかになっていくこの季節。
開花した笑顔と共に、お会いできますこと楽しみにしております。

香月人美

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Gallery Kazuki spring selection
「 春 の 唄 、風 の 翼 」

2025.3.3 (Mon) – 20 (Thu)

13:00 – 19:00 [ 日・水/休廊 ]

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退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。

悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。

不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。

病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。

捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。

よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。

追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。

死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。

マリー・ローランサン「鎮静剤」堀口大學 訳

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岸田 淳平/Junpei Kishida

1943 大阪生まれ
1966 関西学院大学心理学科卒業
1981 第12回版画グランプリ展、サロン・ドートンヌ展
1982 第4回現代版画コンクール展、第50回日本版画協会展、第32回モダンアー展、第10回イビザ・ビェンナーレ展
1983 第1回版画大賞展
1984 第15回国際美術展、シロタ画廊で初めての個展
以降毎年個展、国内外で多数開催。

収蔵
東京オペラシティアートギャラリー、寺田小太郎コレクション、米子市美術館/鳥取県、小国芸術村会館/新潟県
ウッジ市立美術館/ポーランド、国際グラフィックアート美術館/エジプト

 

田上 允克/Masakatsu Tagami

彼のイメージの、この豊富さはどうだろう。ヴァラエティの豊富さだけを言うのではない。内発的なものの豊かさを私は言っているのだ。ガツガツしない。悠々たるものである。だから、得てして類型的になりがちのこういう発想がそうならず、一枚ごとにみな新しく、面白く、生きている。グロテスクの中にいつも彼独特の静かな笑いがある。そして、ここへ来て、むかしの彼のあのデッサンが物を言っているのに私は気が付く。危な気がない。
彼の才能、真に恐るべし。
<現代画廊(銀座)1984年8月23日~9月5日 太蛾亜美リーフレットより>

1944 山口県生まれ

1973 東京に出て水彩画を描き始める

1974 油絵、銅版画を始める

1978 銅版画個展(東京シロタ画廊)

1981 油絵個展(東京シロタ画廊)

1982 横浜に移住

1984 現代画廊にて版画展(洲之内徹氏のテキストあり)

1986 版画をやめる ニュー墨絵を始める

1990 神奈川県秦野に移住。紙にミックスメディアで書き始めて現在にいたる

2000 京都に移住

2004 東京日仏学院で個展

2006 山口県に移住

 

安元 亮祐/Ryosuke Yasumoto

特徴的な画風にはマリオネットのピエロ、フルートやトランペットを奏でるジプシーたちが月明かりの下でいつも踊っている。鉛色したブルーグレイの空、人魚の棲む浜辺、枯れかけた花、降り注ぐビーズの雨は見知らぬ街を濡らし、記憶の断片を紡ぐ。窓からこちらの様子を伺う見知らぬ月の住人、刻印された街。そんな幻想的な世界は多くの人々を惹きつけ、魅了してきた。

1954 兵庫県 姫路市生まれ。
1972 東京教育大(現、筑波大)付属聾(ろう)学校美術 専攻科入学
1988 安田火災美術財団奨励賞受賞

1989 セントラル美術館油絵大賞展佳作賞受賞。第27回昭和会展(日動画廊主催)昭和会賞受賞
その後、個展多数開催、アートフェア出展。

 

河原 朝生/Asao Kawahara

美術の範疇からは一歩離れ、静謐感をたたえた奥行きの深い世界を淡々と描き続ける画家である。
ただ緊密に、寸分のすきなく描き込まれた空間に、何の 脈絡もなくボッと映像が浮かぶ。その断絶感が河原朝生の世界です。
20代のほとんどを日本から離れ、イタリアで暮らした河原はキリコやカルロ・カルラら イタリア形而上絵画のからりと乾いて謎めいた、何かが起こりそうな空間の感触が肌に合ったと言う。
そこには生活感も時間もない、神秘で謎の世界が生まれる。ひとつの完結した宇宙が存在する。
<プリミティブな聖域>

1949 7月11日東京、目白に生まれる。
1972 渡伊、ローマ国立美術学校に入学。油彩画を学ぶ
1977 最初の個展、イル・テット画廊(ローマ)で開催され、18点を出品する。
1979 羽黒洞(湯島)で日本で最初の個展
1979 ピッツォカラブリア絵画展でバレンティア賞を受賞
1979 ジャニコロ画廊(ペルージャ)、イル・テット画廊(ローマ)と契約
その後も国内外で多数個展開催

 

筧 本生/Motonari Kakei

1951 福岡県に生まれる
1975 東京造形大学美術学科油絵専攻を卒業
渡仏
1976 ル・サロンに出品(以降、78年まで毎年出品)サロン・ドートンヌに出品(以降、82年まで毎年出品)
1977 第1回 筧本生展(福岡県文化会館/福岡)開催、以降個展多数開催
1978 安井賞展に出品、サロン・ド・メに出品
1979 グループデッサン展(ギャルリー・バルコン・デ・ザール/パリ)に出品
1980 デッサン・ビエンナーレ(ユーゴスラビア)に招待出品
1988 昭和会展に出品第31回安井賞展佳作賞受賞
1989 第3回具象絵画ビエンナーレに出品
1990 第25回昭和会展優秀賞受賞
1992〜 多数開催 筧本生展(日動画廊/東京、パリ、福岡)
2007 レ・ゼリゼ・ド・ラール出品(パリ)
帰国、福岡にアトリエを構える
2013 「月下の果実會」(画廊香月/東京)

個展(蔵丘洞画廊・日動画廊)を中心に活動アート台北、アートシンガポール、KIAFといった海外アートフェアでも活動

 

小林裕児/Yuji Kobayashi

1948 東京生まれ。東京藝術大学油画科、同大学院修了
1987 第64回春陽展賞を受賞
1989 にそれまでの細密な画風を転換、
1996 「夢酔」で第39回安井賞を受賞

国内外で多数個展開催

制作は毎年春陽展に展示する油彩/テンペラの3メートル半の大作にとどまらず、
版画、立体や膨大な量のドローイング、齋藤徹氏等とともにおこなう
ライブペインティングの試みなど常に新しい絵画の可能性を探求している。
日本橋三越、ギャラリー椿など国内外で多数の個展を開催。

 

篠原 道生/Michio Shinohara

(1960 – 1992)

私は絵を描いてしか 身をたてられません
私は絵を描いてしか 身をよこたえられません
何もなくなった 空のために
それもウソ それも真
絵を描くことだけなのです。

 

池田龍雄/Tatsuo Ikeda

(1928 – 2020)

個人として厳しく社会と向き合いながら、一個の生命として宇宙の成り立ちを想像する。
90歳を目前に控えた時も、自らの活動を振り帰っての執筆や講演活動を精力的に行な卯とともに、なお歩み続ける彼の画業は、時代と切り結び思考する苦闘の足跡であり、戦後日本美術史の証人ともなっていた。

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花はいろ そして匂ひ

あなたはこころ そしてやさしさ

堀口大學

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